【ネタバレなし】戦国死にゲー仁王2をクリアしたのでレビューしたよ
はじめに
仁王2を無事クリアしたのでネタバレなしでレビュー書こうと思います。
当ブログではボスごとの攻略メモなんかも書いてたんですが、最後の方になってくると武器もレベルもそろって、ごり押し効くようになってしまいラスボスに限っては攻略で書くことなんもなくなりました...。お恥ずかしい限りです。
そんな凡愚の記事でよければご覧ください。
また、このレビューは無駄に辛口なので仁王2が好きな方は気分を害するかもしれませんので注意です。
仁王2とソウルライク
このゲームは明らかにソウルシリーズを意識して作られた、いわゆるソウルライクゲーである。
僕はこういうゲームをどうしてもソウルシリーズ、特に同じ戦国時代を舞台にしたSEKIROと比較してしまう。
仁王2もSEKIROと比較すると、多くのソウルライクゲームがそうであるように”二番煎じ”の域を出ることができなかったゲームだと感じてしまった。
先に断っておくがゲームとしては普通に面白い。死にゲーや高難易度のゲームがやりたい人には迷うことなく薦めることができる。
では、なぜ二番煎じなのか?それは仁王2の難易度調整のやり方に原因があると思う。
面白さと問題点
まず仁王2を語る前提として、「ちゃんと遊べるゲーム」ということは断言しておきたい。別に二番煎じとはいってもクソゲーと言いたいわけではなく、むしろ好意的にみている。
面白さの理由は主にボス戦にある。
このゲームは残念ながらザコ敵の使いまわしが非常に多いのだが、
ボス戦に関してはほとんど使いまわしがなく、ボスが変わるたびに新たな体験を得ることができる。
ボスごとに全く違う戦術で戦うことを促し、これさえやっておけば勝てるという決まりきった戦い方がないので、プレイヤーが試行錯誤する余地をしっかりと残している。
(忍術特化など調整不足による、一部の抜け道はあるが)
最初は死にまくったボスも慣れてくれば楽に倒すことが可能で自らの成長を実感することができるのだ。
その成長体験は死にゲーの醍醐味であり、もっとも重要な核とも言える部分。
この核がしっかり作られているので、ザコ敵の使いまわしが多かろうが仁王2の根本のゲーム体験が損なわれることはない。
以上を踏まえたうえで、このゲームの抱える問題点とはいったい何だろうか。
それは...
- ザコ敵の強さ・使いまわしの多さ
- 致命の一撃
- 常闇
以上の3つにあると思う。
ザコ敵について
これがこのゲームの一番ダメなとこだと思うのだが、
当たると一撃死するレベルの大ダメージを放つザコ敵が非常に多い。
そのため今まで慎重に立ち回っていてもワンミスで死ぬということが本当によくある。
とくにガード不能の投げ攻撃や背後からの攻撃のダメージが半端ではない。
しっかり相手の動きを読んでダメージを与え続けていたのに、一度ステップの方向を間違えて投げ攻撃に吸い込まれたり、1対多の状況でザコ敵に後ろから殴られて即死というのを何度も味わった。
また使う武器種にもよると思うが、敵の体力が非常に多く、ザコ敵に対しても数発斬って、ガードやステップで防御するといったヒット&アウェイ戦法を迫られることが多い。
それをどんな時も気の抜けないゲームととらえるか、調整ミスと捉えるかは個人の感覚によるところかもしれないが、僕には後者のように感じた。
SEKIROを例えに出せば、ガード不能技で大ダメージを出してくる敵は多い。
みんな苦手な赤鬼などはその最たる例だろう。
ただSEKIROではそういった敵が頻繁に出てくることはない。
だからこそ、赤鬼が出てきたとき、「こいつはやべえから気を付けて倒そう」とプレイヤーは心の準備ができるし、心の準備があるからこそたとえやられたとしても、「まあ今のは俺がわるい」と納得できる、それにSEKIROにおいては回生で蘇ることができる部分も大きいだろう。
しかし仁王2においては赤鬼みたいなザコ敵しかいない為(これに関してはザコ敵
の使いまわしが非常に多いのも原因の一つ)まったく気が抜けるタイミングがない。
要は赤鬼を4体倒した後に、5体目の赤鬼で少しでも気を抜いてミスったらやり直し!
といった具合なのである。
ちなみにこの大ダメージに関しては重装防具をつけることで緩和できるが、武器によって上げるステータスが異なるので、重装防具を着るためのステータス(剛や武)を上げていない人も多いと思う。
僕は軽装、心極ぶりの刀マンで最後までクリアしたのでその中の一人なのだが、軽装防具で戦うことはこのゲームにおいては縛りプレイをしているようなものであることに二週目でようやく気づきました。
そんな難易度の為、最終的に、
「ボスまでの道中は無理して戦わないほうがよくない?」
ということに気づいてしまうとこのゲームのクリアはもうすぐだ。
道中の敵は全スルーでボス前まで駆け抜ける競技が始まってしまう。
実際僕はそうした。
ちなみに全力ダッシュしている時にザコ敵の槍にうしろからチクっと刺されるだけで1500ダメージぐらい食らって死ぬのはもうご愛敬である。
あとは道中にゲーム上あまり意味のあるアイテムが置いておらず、探索する必要性が少ないのも全力ダッシュの原因の一つだ。
探索する意味としてはせいぜい、木霊を探すか、遺髪アイテム(スキルポイントを獲得できるアイテム)を取るか、ショートカットを開通するぐらいで、おまけにフィールド自体そこまで広くないのでこれらを探すのは走り抜けながらでもそんなに難しくはない。
※このザコ敵の火力が高すぎる問題は開発も認識していたらしく、3/19日時点で一部ザコ敵のダメージに下方修正が入ったようです。
致命の一撃について
このゲームには気力というシステムがあり、
攻撃やガードを行うと気力が消費され、気力がなくなると疲れて短時間無防備な状態になる。
敵によってはその隙に致命の一撃を入れられてしまう。
一方、敵にも気力が存在し、もちろん敵の気力を消費させることができれば、こちらが致命の一撃を入れることも可能だ。
このシステムによって、残心の有効性や、攻めるか引くかの駆け引きが生まれている。
しかし、なぜかこのゲームは敵を気力切れにした際、致命の一撃の受付タイミングに遅延が発生してしまう。
これは完全にゲームの仕様だと思うが、そのせいで非常に戦闘のテンポが悪くなっている。
例えば、1対多の状況がこのゲームは多いため、致命の一撃で素早く倒そうと思っても、致命を受け付けてもらえず、後ろから他の敵に殴られて致命できなかったり、ましてやバックアタックのダメージが高すぎるため死ぬなんてこともあると、思わずイラっとしてしまう。
これもSEKIROではまるでリズムゲームのようなテンポでスムーズに致命の一撃を決めることができるため、それを経験した後だと、仁王2のテンポの悪さは致命的に感じてしまった。
常闇について
常闇とはデバフがかかるフィールドのようなもので、
そのフィールド内にいると、スタミナの回復速度が常に半減する効果がある。
例えば、ボスがいわゆる怒り状態になるとボス部屋全体を常闇状態にし、一気に戦闘の難易度が上がる。
またボスまでの道中にも常闇は点在しており、その中に存在する強力な妖怪を倒すと、常闇が祓われ通常のフィールドに戻すことができる。
これに関してはイチャモンというか、個人的な好みであることは重々承知している。
しかし、それを踏まえても
「このシステム…いる?」
と思わざるを得ない。
僕が単純に無条件でプレイヤーに制限を与える難易度調整があまり好きではないというのもあるが、単純に戦闘のテンポが悪くなるし、仁王の魅力は武器スキルや残心を駆使したハイスピードな戦闘だと思っているのでそれの邪魔をしているようにしか思えなかった。
また、道中に存在している常闇に関しては、弓矢などを使って常闇の中から敵を釣り出してしまうか、もしくは全力ダッシュでスルーすればいいからだ。
まあこんな具合に不満なことはたくさんあるがゲームとしてはちゃんと楽しめたし、
というか細かい不満を上げだしたらとんでもない文量になってしまうので根本的な部分への批判に留めるものの、
・有用な魂代少なすぎ問題(結局、夜刀神連打が一番強い)
・軽装、弱すぎ問題
・陰陽術や忍術を使うだけで難易度が極端に変わる(特に遅鈍府や忍術特化)
などなど依然として様々な問題を抱えている。
しかし、ザコ敵の火力が即座に修正されたことを考えると、おそらく常闇や致命の一撃以外は今後の調整で変わる可能性も高いだろう。不満を抱えている方は座して待て。
ストーリーとキャラクター
ストーリーに関しても書いてみる、そもそも僕は仁王にストーリー性は求めていないのだが...。
このゲームは初代仁王の続編ではあるが、物語の最初は時系列的には初代の数十年前から始まる。そのため、初代で出てきたキャラクターが登場することが多く、初代ファンにはニヤリとできる場面はあると思う。
しかし、逆に言えば大体話がどの方向に進むかがわかるのでストーリーに新鮮味はない。さらに、日本史をベースにストーリーを作成しているため、細かい部分に脚色はあるが、大まかな流れは史実と一緒であることも新鮮味がないことの原因の一つだ。
また、このゲームはキャラクターメイキングによって主人公を作成するので、カットシーンに主人公のボイスはなく、簡単なジェスチャーで応答している。
そのため当たり前と言えばそうだが、主人公のキャラクター性もあまりない。
またストーリー全体としてカットシーンや会話シーンも多くなく、主人公以外のキャラクター描写にもそこまで力を入れているようには見えない。
細かなストーリーは描写されないので、あとあとゲーム内の人物事典のようなものを読んで「あっ、そうだったの!?」と知ることもあった。
文句なしで素晴らしいところ
ここまで悪いことばかり書いてしまったような気がするので、
誇張なしにここは素晴らしい!ということを書いていく。
このゲームのキャラクターメイキングは本当に素晴らしく、非常に細かい設定ができる。あまりに細かいので筆者は2時間かけて作成してしまった。
しかも、こういったキャラメイクが豊富なゲームは、ゲーム画面になると
「作成画面のときとなんか顔違うんだけど…」
という現象に陥りがちだが、
そこも安心してほしい、ゲーム開始後もミッション中でなければいつでも一からキャラメイクをやり直すことが可能である。
こういったところから、ストーリーを深く描くよりも、よりゲームプレイ部分に主眼を置いているゲームであることはよくわかる。
キャラクター描写やストーリーはそこそこに抑えて、
「お前らの好きなキャラクター作って、死にゲーを楽しんでくれや」
という開発からのメッセージを感じた。
この潔い取捨選択は好印象である。
それに初代仁王では主人公がウィリアムに固定されているにも関わらず、ウィリアムもほとんど喋らず、キャラクター性・ストーリー性も特になかったのでこの路線は間違っていないとおもう。
あとがき
かなりこき下ろしてしまった気がしますが、個人的には期待してた程度に十分楽しめたので良ゲーだと感じました。
死にゲー・ハクスラという単語に惹かれるならとりあえず買って損をすることはないでしょう。
個人的にハクスラ要素にあまり興味がないので二週目はやらないのですが、ハクスラ好きな方は二週目では装備を揃えれば無双ゲームが楽しめると聞いたので、長い時間楽しむことができると思います。
しかし、コーエーテクモさんは初代仁王のDLCで必死こいて厳選した武器・防具がすべてゴミになるガバガバ追加コンテンツを出したらしいので、ハクスラ目的の方はその可能性に留意するべきですね。
ところで僕は仁王2が無事に終わったので、switch片手に動物しかいない幸せな島に逃亡しております。
しかし、平和でのどかな世界に浸り続けるのは、僕のような刺激に飢えた現代人にはつらいので、アサシンクリードオデッセイをわきにかかえております。
どうぶつの森で麻酔を打ちつつ、しばらくまどろんだらアサクリで覚せい剤をぶち込んで目を覚ます。こうして日々を生き繋いでおります。
みなさまはいかがお過ごしでしょうか。
- 発売日: 2020/03/12
- メディア: Video Game
#仁王#におう#Nioh