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【神ゲーOR良ゲー?】デスストランディングって結局面白かったの?

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メタルギアシリーズで有名な小島監督の最新作「デスストランディング
多くのデススト未プレイの方はこう思うはずだ。
「これ本当に面白いのか?」と僕もそう思ったんでつらつら書いていきます。

もし僕が人に聞かれたなら

「人は選ぶけど、面白いよ」

とありきたりな答えをすることになるだろう。

twitterとかだとこう表現している人かなり多いですよね
じゃあなぜこんな曖昧な答えになるのか

それはこのゲームの尖り方に問題があるからだ。
デスストはゲームにとってすごい革新だとそう思う。

ただその革新という尖りはいい具合に人のツボに刺さる場合もあれば、刺さらない場合もあるという単純なことである。

「ロック」に対する「オルタナティブ」、「君の名は」対「パプリカ」、「RADWINPS」対「平沢進」のように。


デスストの革新とは何か

 

このゲームのそれは、移動である。
この移動の中には徒歩だったり、車に乗ったり、バイクに乗ったりすることを含んでいる。
ゲームの80%の時間をフィールドの移動に費やしているといってもいいだろう。
あとの10パーセントの内訳は
10%ストーリー
5%戦闘
5%その他(プライベートルームでのんびりしたり、アイテムを作ったり等の諸々の行為)
といったところだろうか

ほとんどのオープンワールドゲームでは移動なんて基本的に面倒くさいものとしてとらえられている。ファストトラベルなんてものがその証明だろう。
ただデスストはその面倒とされるみんなに無視されがちなフィールド移動というものに焦点を当てた。

重心のバランスをとるといった要素を加え、あえて移動に不自由を取り入れることでゲーム性を持たせたのである。


つまり最初の話に戻れば、デスストを面白いと思うか、つまらないと思うかはこの移動という行為をどれだけユーザーが楽しめたかにかかっていると僕は思うのだ。

 

結論から言えば僕は楽しめた部類に入るだろう。

だけど100%楽しめたわけではない。

最初は単純に移動自体を楽しめていたし、
バイクや車に乗れるようになり、国道を作成したころには
文明の利器や整地された地面の偉大さに感謝をささげていたほどだ。

その点小島監督は非常にうまいゲームバランスを作ったと思う。

ただ人間には恐るべき能力がある。
それは適応だ。

ゲームにおいては「慣れ」と表現した方がいいだろう。
はじめは新鮮だったこの移動という行為、ゲームも中盤に差し掛かるころにはだんだんと慣れてしまい飽きてしまった。
終盤は完全に惰性で配達していた。

小島監督は移動に新たな楽しみを見出してくれたが、ユーザーがシステムに飽きてしまうところまでの配慮はしていなかったように思える。

そしてもう一つの欠点、それは戦闘だ。

このゲームの主軸は移動して配達することだ。
設定や世界観的にみても戦うということがどれほどのリスクを孕んでいるか
プレイした方にはわかると思う。

そうだとしてもだ
僕はこの戦闘を擁護することはできないと思う。
このゲームでの主な敵はミュール(正気を失った元人間)とBT(幽霊のような存在)だ。
ゲームとはプレイヤーの行動に対する報酬を用意するものだと思う。
しかしこのゲームにおいては報酬の要素が極端に薄い。
つまり戦闘する意味がほとんどないのだ。


そういうわけでプレイヤーがとる最善策は「無視」すること、
敵たちはお邪魔虫以上の存在には決してなりえない。
たとえばホラーゲームなら敵に見つかれば死んでしまうようなゲームバランスであることが多い。
だからこそプレイヤーは敵に合わないように行動することに価値を見出せる。

デスストは接敵することによって死ぬなんてことはほとんどない。
ミュール(このゲームにおける雑魚敵)に見つかったらそのまま走ってその場を去ればいいし、BTにみつかってもボタンを連打しながらその場を去るだけ。
要は敵がただめんどくさいものでしかないのだ。

さらにボス戦はもっとひどい。
一般的に言えばボス戦とはゲームの見せ場であり、プレイヤーの多くは挑む前の緊張感やボスに勝利した後の達成感を得られるものだろう。

このゲームのボス戦は
「棒立ちで銃を撃つだけ」「敵の攻撃にボタン連打でカウンター攻撃をするだけ」
ただそれだけだ。

従来のTPSであるならば、壁などのオブジェクトを使ったカバーアクションやローリングをつかった攻撃の回避などでボスとの駆け引きを楽しむだろうが。
このゲームは荷物をもって移動することに重点を置いたゲームであるからこそ、
非現実的なローリングや俊敏な動きといったゲーム的な動きからかけ離れたリアルで人間的な動きしかできない。
そのため敵の攻撃をよけるという必要性はあまりなく
のそのそ歩きながら、銃を撃つだけというゲームになる。
もしかしたらハードだとそんなことはないのかもしれないが、私がプレイしたNormalだとほぼ適当に銃を撃ってるだけで勝ててしまった。
こんなやりかたでも一度も死んだことはない。

ほぼすべての巨大BT戦を見てもそうだ、
ただ作業的にBTに攻撃するだけで簡単にクリアできてしまう。
巨大魚とか、巨人BTとかこれはネタ抜きでひどかった。

何度も言うがこのゲームは戦闘を楽しむゲームではない。
そんなことはわかってる。とはいえこれはひどすぎないかという話である。
こんなできだったら戦闘要素なんかなくてもいいんじゃないかなとも思った。

棒(武器)と縄(絆?)をテーマにしているなら
ミュールにたいしては縄で縛って無力化するとい行為があるが、BT戦は銃やグレネードだったり臍帯切以外に戦わずして勝つ手段というものを作れていたらよかったのではと思う。

何度も言うがこのゲームは戦闘に力を入れているゲームではない。
だからといってこれはないだろう?
というのが僕の感想である。

※以下は完全にイチャモンだがストーリについてのネタバレなのでクリアしてない方は未読推奨


3つ目は、ストーリーや演出についてだ
まず冒頭のシーンである。
僕は最初サムのフラッシュバックかなにかかと思ったが、フラジャイルが急にサムの前にテレポートしてビックリしたサムがバイクごと転倒するシーン。これでサムはしばらくバイクを失うことになります。

このシーンをみて思ったのは
いやまず謝れと。
急に出てきてごめんなさいと
もしくは「バイクのこと、ごめんね」と別れ際に言うでもいい
もしくはサムがさっきの現象に触れてくれよと
だが二人は特にこの件には触れずそのまま別れる。
謝らなくてもいいのよ、バイク壊れちゃったねとか。そのせいでサムがバイク失ってんのに誰も触れてなくて???ってなりました

あとはこのゲームにおいて主人公を序盤から苦しめる宿敵ヒッグス戦。
プレイヤーとしてはようやくこいつを倒せる!と思うのですが
今までムービーでサムがいくら殴り掛かってもピュンピュンとテレポートして避けてたので、
「こいつはそもそも物理攻撃効くのか?」
「倒せるのか?」
と不安に思っていました。

結論から言います、ヒッグス倒せます。
どうやって倒すって?

ボス戦になると急にテレポートしなくなって普通に殴れるようになるからです

なんか手加減してもらってる感というか、こっちの土俵に降りてきてもらった感があって宿敵との闘いなのに全然燃えないボス戦が開幕します。

戦い方は相手のライフル射撃をかいくぐり(斜めに移動するだけでよけれる)近づいてひたすら殴る。

挙句の果てに殴られすぎてヒッグス君は気が狂ったのか銃を捨てて近接戦を始める。

ベネットもびっくりである
違和感がすごすぎて「ヒッグスはわざと手加減してるのか?」「ビーチの中ではテレポートは使えない?」とおもったが
様子を見るとそういうわけでもない。
ムービーシーンに比べてボス弱すぎなんてのはゲームにはよくある話とはいえこれはあまりにも...

 

あとがき


なんか悪いことばかり言ってしまったけど、

結論は良ゲーです
ダメダメな戦闘に目をつぶればいいゲームであることには間違いないです、

余談ですが海外メディアでGameAwardにデスストがノミネートされたことで、GameAward運営とコジプロの癒着が疑われているらしいですね。
個人的にはノミネートされただけなら妥当な判断だと思っています。
今年のゲームの中でも革新的でクオリティの高いゲームあったことには間違いないですからね。

GOTYを取ってしまったら癒着が疑われるのもわかりますが...
さて今年のノミネート作品から何がGOTYをとるでしょうか。
ちなみに今年のノミネートは
・コントロール洋ゲー新規IP)
大乱闘スマッシュブラザーズスペシャル(説明不要)
・Sekiro Shadowdietwice(フロム宮崎ゲー)
バイオハザードRE2(名作の正統リメイク)
・DEATH STRANDING(小島監督復帰作)
・THEアウターワールド(フォールアウトシリーズの系譜作)

今年は洋ゲー不作でしたから。和ゲーがかなり多くノミネートされましたね。

個人的にはSekiro一択です。(ええ、僕はフロム信者です)
BloodBorneのときもGOTY取ってもおかしくない完成度でしたが当時はWitcher3とかいう強敵がいましたからね。
今年は比肩するライバルもいなさそうなので無事取ってくれそうです
ただコントロールが日本未発売でどういうゲームなのか僕が一切わかってないのでそれ次第な気がしています。

※追記

無事Sekiroが2019年のGOTY!
デスストもベストディレクションとミュージック?を受賞。
妥当な評価だと感じました!

宮崎監督・フロムソフトウェアおめでとうございます!
それでは余談もこのへんで次のゲームでお会いしましょう。